息を吸うように白猫プロジェクト

白猫プロジェクトというスマホゲームのブログです。

【白猫5周年イベント】ダークラグナロクの感想(ネタバレ注意)

こんにちは、息を吸うマンと申します。
 
 白猫プロジェクト5周年イベントダークラグナロクのノーマルをクリアしたのでイベントの感想を書きます。以下、ダークラグナロクをDRと表記します。
躊躇なくネタバレしていくので、ストーリーを読み終わってない方はブラウザバックを推奨します。また、DRのストーリーに対してかなり否定的なことも書きます。そういったものが嫌な方もブラウザバックを推奨します。
 
 この記事では、DRのストーリーで良かったところ、ダメだったところをそれぞれ書いていきたいと思います。

1.ダークラグナロクの良かったところ

 
①白猫のお約束・予定調和を破った
 生放送でお披露目された超豪華なPVではケンセイが敵のビームにやられる描写があり、生放送の出演者も「ケンセイどうなっちゃうの?」という反応をしていました。
 今までの白猫のお話にはプレイアブルキャラクターは死なない、というお約束がありました。(一部、最初から死んでいる状態のプレイアブルキャラクターも居ますが笑)そのため、DRでも死んだと思っていたケンセイが ストーリーのラストでひょっこり現れて「おいおい、勝手に他人を死人扱いするんじゃねえ」「俺がそんな簡単にくたばるわけねーだろ、ガハハ!」的なよくある展開になるのかなとイベント開始前までは思っていました。が、蓋を開けてみるとケンセイはセレナを庇って敵のボスに本当に殺されました。さらにはイベントクリア後には飛行島にケンセイのお墓が建ち、ケンセイの死が決して覆らない事実であることがプレイヤーの前に突き付けられます。
 これは賛否両論あり、ケンセイのファンには到底受け入れ難い展開だと思いますが、私は評価しています。というのも、「プレイアブルキャラクターは絶対に死なせてはいけない」という制約がストーリーの幅を狭くしてしまう側面があり、読み手側にとっても「ガチャキャラはどんなにピンチになっても死なない」と思ってしまい、ストーリーの緊張感をなくしてしまうと考えているからです。当然、白猫というキャラクター人気が売りのゲームでキャラクターを死なせることには大きなデメリットがあるため、今後その手法が多用されることは無いと思いますが、キャラクターの死が選択肢として存在しているだけで、ストーリーのマンネリ化を防ぐのに一定の意味があると思っています。今までの白猫ストーリーのタブーを破り、キャラクターの死というユーザ―からの反発も予想されるであろう展開に挑戦したことを私は評価したいです。
 

②演出面に力が入っていた

 今までの島級イベントとは異なり、自勢力・敵勢力の位置関係や戦況を表現するためにマップが使われていました。敵味方が多数登場してそれぞれ入り乱れてお話が進んでいく今回のようなイベントでは、状況がわかりにくくなりがちですが、このマップのおかげでとても分かりやすく状況を把握できました。良い取り組みだったと思います。
 また、ノーマルの最後に映画のエンディングのような、エンドロールがありました。エンディング専用の歌まで準備されていて、今回のイベントへの力の入れようが伝わってきました。
 そのほかに、キャラクターの顔のドアップが綺麗。これはアップデートの恩恵ですが、今まではキャラクターの顔が大写しになると、「画像荒っ!!!」という印象が最初に来てしまったのですが、DRではアップにも耐えられる綺麗な画質でした。
 
③リーランのセレナに対する叱咤
 ケンセイを死なせてしまったことへの罪悪感に苛まれているセレナに対する、リーランの叱咤の言葉が非常に良かったです。
 個人的にリーランはレガリアよりも株が上がりました。
 
④ヴァイスくんを生み出した
 ヴァイスくんのキャラクターが非常に良いです。普段はバカとして描写されますが、「大事なところでは決める」「素朴な言葉で核心をついた発言をする」などすごく好きなキャラです。
 

2.ダークラグナロクのダメなところ

①物語の主役に感情移入できなかった
 結局これに尽きると思います。
 アマリアとセレナの絆や、セレナが闇の後継者として育てられた過程がほとんど描かれていないこともあってか、全体を通してセレナに感情移入することができませんでした。

 メンタルが弱くて、それを隠すために威勢よく・調子よく振る舞うというセレナの性格についても、物語で描かれた範囲の中では、アマリアやケンセイが、セレナの一体どこをそんなに評価していたのか、よくわかりませんでした。

 潜在的な素質はセレナが一番高いというのはネロも言っていましたが、「闇の試練に失敗したのに、生きて帰ってこれたのは凄い」という描写では、セレナの潜在能力の高さについて説得力が弱いように感じました。

 また、セレナのメンタルの弱さが最初に表現されたイベントが”闇の試練を乗り越えられなかった”という非常に抽象的な描写だったので、序盤のセレナが乗り越えなければいけない課題が一体何なのか、自分にとってもよくわかりませんでした。良くわからないままセレナが悪循環を転がり落ちていくので、セレナがちょっと可哀そうだと思いはしたものの、彼女の課題が結局良くわからなかったので、終盤にセレナが覚醒した場面でも「あー覚醒したな」という感じでカタルシスは感じられませんでした。
 
②物語のスケールを実際よりも大きく見せようと偽っていた
 闇の王と対決すると事前に煽っていたにも関わらず、蓋を開けてみればシンラと戦っただけで、闇の王は一切ストーリーに登場しませんでした。アイリス曰く「闇の王は波蝕の儀式に気付いてすらいない」そうで(笑)、事前に告知していた内容と随分お話のスケールが違うのでは???とツッコミを入れざるを得ませんでした。
 ただ、ソシャゲの期間限定イベントという性質上、サザエさん時空の中にお話を納めないといけないので、実際に闇の王と戦い、かつ今後のメインストーリーに影響を残さないようにすることは非常に難しいとは思うのですが。
 その面では、昨年のワールドエンドではメインストーリーの大根幹に関わる壮大な物語を描きつつも、ワールドエンドを経た後の未来を変えてしまうことで今後のメインストーリーにはほとんど影響を残さないという奇跡的なことを上手くやってのけたなあと感心します。
 
③そもそもの「波蝕の儀式」や「闇の後継者」の存在意義を否定してしまった
 イベントが終わってみれば、闇の後継者たちが闇の王を倒すために数万年前から準備していた様々なことが、今回のボスであるモルデウスによってすべて事前に仕組まれていた罠だったことが明らかになりました。
ネロの一族、闇の後継者達、飛行島一行、帝国、連邦、タイカンがすべてモルデウスに騙されて茶番を演じていたことになり、今回のイベント、なんだったの?という気持ちになります。
 

3.総合的に

 総合的に、DRのストーリーは期待外れであると感じました。
 前年の4周年イベントワールドエンドのストーリーが本当に素晴らしい出来だったため、自分の中での5周年への期待感が上がりきっていた影響もありますが、ワールドエンドだけでなくゼロクロニクルも超えられていないなという印象です。ソウルオブナイツよりかは面白かったです。ワールドエンドを超えることは相当難しいとは思うのですが、超えられないにせよ、もう少し頑張れたのではないかというのが正直な気持ちです。
 ただ、良い面もたくさんありました。力の入ったエンディングムービーがあるとか、マップがわかりやすいとか、キャラクターの死というタブーを描くことに挑戦した点とか。これらを活かしてまた次のイベントでは意欲的な面白いストーリー作りに挑戦してほしいと思います。